モスクワメトロ7号線 Волгоградский проспект~Текстильщики ロシア人撮り鉄と心を通わせて

モスクワ地下鉄 メトロ モスクワ号 81-765/766/767

座標: ロシア, モスクワ特別市
光線: 早朝のみ順光
環境: 人通りはないが、車が屯しており衆人環視。
アクセス: チェクスチリシキ駅から徒歩20分、もしくはВолгоградский проспект д.40停留所から2分。

ロシア 地下鉄 モスクワメトロ Еж-3
紫線はЕж-3型が現役のモスクワ最後の路線

モスクワ地下鉄の地上区間は、あまりにも高い壁と鉄条網によって厳重に防護されている。線路内に人が立ち入り、感電死するのを防ぐためだ。旧ソ連諸国のメトロは、地表に給電用レールが敷設される第三軌条方式を採用している。この方式はトンネル建設費を抑えられるので地下では有益だが、地上となると話は別だ。躊躇なくレールを跨ぎ、線路を歩道の亜種と捉えるロシア人とは相性が悪すぎるのだ。彼らは90秒ごとに電車が通り、足元にも電流が走るメトロにだって侵入するに違いない。恐れ戦く地下鉄公社は地上区間を有刺鉄線で覆い、夜は強力な照明で照らし出すことにした。これで運転士は万が一にも越境者を発見できる。さながらベルリンの壁だ。

ロシア 地下鉄 撮影 撮り鉄 Текстильщики Волгоградский проспект

この万全の防御態勢を嘆く者もいる。撮り鉄だ。これではせっかくの地上区間なのに撮影できないじゃないか!しかし鉄壁の防御策にも抜け穴はあるもので、ここから撮れたらな、というポイントに、いい塩梅にまさしく穴が開いているのだ。どうしてフェンスが破れているのか見当がつかないけど、破孔からレンズを出すと素晴らしい構図が得られる。人種や言語が違っても趣味を共有していれば、求めるものを分かり合えるのだと私は感動してしまった。この場をお借りして現地同志にお礼申し上げたい。スパシーバ。なお、この穴は撮り鉄のモラルの程度が万国共通であることの証左でもある。

Московский метрополитен 81-760/761  Волгоградский проспект
転出した81-760/761型の愛称はオカ

7号線ことタガンスカ・クラスノプレスネンスカヤ線は、激烈な混雑で知られている。ラインカラーは紫色だが、いわばモスクワの東西線だ。現在はソビエト生まれの古めかしいЕж-3型と、革命的な新型車両と持て囃される81-765/766/767型(1枚目・愛称は公募でモスクワに)が運用されている。前者は2020年に引退予定。最古参と最新鋭が肩を並べる今こそ、撮っておくべき路線と言えよう。昨年まで大きな勢力を誇った81-760/761型は、橙色の6号線に転配されてしまった。ちなみに、当形式の愛称オカ(Ока)はヴォルガ川の支流から取られたもの。ロシアの乗り物の名は川に由来する傾向があり、同名の小型車も存在する。

チェクスチリシキ駅 Текстильщики

アクセスについて。メトロ紫線とエレクトリーチカのチェクスチリシキ駅から、ヴォルゴグラツキー・プロスペクトを西へ徒歩20分。地下鉄を利用する場合、東口より出て99・159系統のバス、もしくは27・38系統のトロリーバスに乗れば、撮影地すぐ脇のВолгоградский проспект д.40停留所まで5分とかからない。このバス停は、メトロ環状線のタガンスカヤ方面や、中央環状線のウグレシスカヤ(Угрешская)駅へも路線があるが、全て紹介すると長くなるので詳細は2ГИСに任せたい。

※直流750Vでは感電死しないかもしれないが、おそらく動けなくなって轢かれる運命となる。
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撮影: 2017年7月
グーグルマップ上の撮影地一覧


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