ロシア鉄道ザバイカリエ鉄道支社 Благовещенск~Белогорье 中国に沈む夕陽を浴びて

ブラゴヴェシチェンスク 鉄道 ТЭП70БС-284

座標: ロシア, アムール州
光線: 夏季の日没直前のみ順光
環境: 牛乳工場の前の踏切。守衛さんに尋問される。
アクセス: 中心部より7系統などでДрагошевского下車、徒歩1分。詳細後述。

ヤクート鉄道 ヤクーツク トンモト
北進するギリュイ号

アムール州の州都ブラゴヴェシチェンスクは、ロシアでは珍しい隣国に面する都市。対岸では黒竜江を名乗る大河に寄り添っている。アムール川を隔てた黒河市は、あのアイグン条約が締結された地といえば、極東ロシアに特に思い入れがない人でも何となく位置がわかるだろう。あまりにも国境に近いため、シベリア鉄道本線は当地を経由しておらず、街道筋のベロゴルスクから川岸まで支線が南下している。この単線非電化の枝線では、近郊列車こそバスに客を奪われ全滅して久しいが、毎日二往復の長距離列車は生き残っており、日によっては中国に沈みゆく夕陽を浴びるヤクート鉄道の青い客車を見送れる。行き先はトンモト。サハ語で不凍を意味する街だ。

ブラゴヴェシチェンスク 黒河
アムール河畔から見た黒河の夜景

アクセスについて。中心部のゴーリキー通りより7・15・20系統でドラゴシェフスカヴァ停留所まで約15分。7系統は10分に1本と頻発しており、車種は橙色の中通客車製マイクロバスだ。駅から向かうなら、十月革命50周年通りを南進する33系統に乗ろう。こちらは8分間隔で、お馴染みのガズの黄色いガゼルが配車されている。路線図は誰でもロシアの公共交通機関を使いこなせるようになる2GISを参考にしても良いが、市はバスの案内に力を入れているので、公式サイトでも詳細なルートとダイヤを確認可能だ。もちろんУмный транспортにも対応し、あなたは地図上にリアルタイムで表示されるバスの位置を追うことができる。

中通客車 ロシア 中国製バス
中通客車は山東省のバスメーカー

バス停から日没までよく日が当たる踏切までは徒歩1分。人通りは無いけれど、牛乳工場の門番が見守ってくれるからとっても安心。おそらく彼に尋問されるが、乗り物で彩られたデータを見せれば特段問題は生じない。依然として不審者の疑いは晴れないものの、白いボディに青帯を巻いたラーダが迎えに来ることはないだろう。

ガズ ガゼル ГАЗ Газель
マルシュルートカでも多用されるガズ社のガゼル

ちなみに前述の通り、現在ブラゴヴェシチェンスクから普通列車は姿を消しているが、かつては沿海エクスプレス近郊旅客会社によってベロゴルスクまで毎日数往復運転されていた。しかし、レールバスの投入など努力の甲斐もなく、近郊旅客会社の赤字は州の支援でごまかせる限度を超えた。2013年には全便が廃止され、その後同社は補助金の支払いを巡りアムール州を訴えている。後に外バイカル近郊旅客会社を主体に復活が計画されたが、残念ながら実現には至っていない。なお、同区間の並行道路のバスの運行頻度は30分に1本だ。
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撮影: 2017年2月
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